
沼津市にある小高い山 香貫山
そこを少しばかり登った所に 廃墟がある
普段の僕なら何も気にすることない どこにでもある廃墟 何も面白味の無い 味気ない そのような廃墟なのだが 噂には聞いていたからか 香貫山に登る途中 何故だかこの廃墟の前で足が止まった
香貫山は、静浦山地──通称沼津アルプスの北端に位置する 標高193mの山である
この沼津アルプス、低山にも関わらず起伏に飛んでおり 登山愛好家が度々訪れる 登山道もなかなか本格的であり 軽い気持ちで登ると痛い目に合う
この日は私は 夜景を撮影しに 一眼レフと三脚を担いで登っていた そのような状態で登山道を登るのは些か危うい上、また下山時は日が暮れる真っ暗である為 香貫山へは 車道を通り上まで登ることにした
その車道の途中にあるのが この廃墟である


この廃墟は元バーベキューハウスのようだ
なんと一時期はディスコハウスとしても営業しており 沼津の市街地からも近いこともあり なかなかに繁盛していたようだ
──いつごろ廃業して、このような状態になったのか、は 分からなかった 調べようと思えば出来たのだが そこまで興味がわかなかった
特に面白味の無い廃墟にも関わらず──いや、だからこそなのか、心霊系のサイトには昔から取り上げられている、が不思議と内部の様子を紹介したものはない
ここらへんでは それなりにしれた心霊スポットであったのだが いつからか 人が住み着くようになり そのような噂はめっきり無くなった
ちなみに、私が来た時は そのような人の気配はなかった 不在中だったのか それとも既にここを出ていったのか それともまだ中に居たのか 分からない


この廃バーベキューハウスの裏にも 廃屋がある おそらくここのオーナーだった方の家だったのだろう

まだここは麓に近い場所であり 周囲には民家がまだ見える範囲である
心霊スポットとして名高い頃はさぞ近隣住民を悩ませていただろう
いや、それは 放浪者が住み着くようになった今でも同じなのかもしれない
しかし、所有者の不在 また立地上 取り壊しも難しいのが実際のところだろう
何度も言うが 特に大して面白味の無い廃墟である 放浪者も住み着き また倒壊の危険も高いので 侵入等はすべきではない
強いていうなら 廃墟の前から見る富士山は なかなかなものであった
ちなみに、帰り 下山時の話だが この廃墟の先あたりで 真っ暗な中 獣が走り回る音がした
おそらく、猿だと思う または猪や猫だが どちらにせよ猫以外だったら 我が身に危険が及んだ可能性はあった
私は それが正解だったのかは分からないが 即座にライトを消して 見えない敵を刺激させないように静かに下り 廃墟の前まで降りてきた
月明かりで照らされた廃墟はなかなかに不気味であったが やはり噂で聞いた心霊現象は特になかった それよりも獣の方が心配であったというのもあるが、また 特段廃墟の方からなにかの気配はしなかった
放浪者は本当にここにいるのだろうか?と疑問に感じた
まぁ、ともかく
人より獣の方が恐ろしかった
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