【NOeSIS解説】テルミット爆弾とナトリウム爆弾

NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~

この記事は2013年3月12日に投稿したものを アクセス数の増加により2017年2月18日に詳細な加筆修正と不適切な内容の一部削除を行ったものです
あくまでここで紹介している爆弾は劇中で使われているものであり 現実での作成、使用は控えてください


那由多が使用した テルミット爆弾
NOeSIS羽化が出たのがそもそも私が中二の頃だったので この記事も中二の時に書いてました

ですが、本来 NOeSISの解説記事なのに 『テルミット爆弾』で検索するとこの記事がわりと上位に来てしまうことから アクセス数が異常に増えてしまったので 詳しく解説することに致しました
ちなみに中の人は現在高校三年で 春から大学生です なんとその間NOeSISの続編は全く出なかった……

ちなみに、NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~を知らない方は 興味があったら Googleplay や Apple Storeで検索してみてください ただのノベルゲームです 最近 リメイクされフルボイス化されていたりします

さて テルミット爆弾 劇中では一円玉と砂鉄さえあれば作れる爆弾
と紹介されていますが
どのように作るのか

まず アルミニウム粉末を手に入れます 普通は手に入らないので(可燃性の為制限されてます) アルミ箔や1円玉を削るなどして粉末にします ちなみに硬貨を加工するのは犯罪です

これに充分に酸化させた砂鉄を加えます 鉄粉を酸化させても同じです 塩水につけとくだけで勝手に酸化します (後で乾かしてね)

これを一緒の容器にいれ マグネシウムリボンで点火します 容器は深めの金属製の容器にコンクリートなどをそこに引き詰めた物が好ましいでしょう また実験室以外でする場合 充分に広い場所を確保する必要があります 点火したら直ぐに離れてください

これにより アルミニウム粉末は火柱を上げ燃え 酸化鉄粉使用の場合2000℃程度まで上昇します これにより鉄すらも溶かすので金属の溶接などに使われます

劇中で使われた爆弾は これを瓶に詰め焼夷弾として使用したものです 古典的ですが実際に軍事用途で現在でも使用されてるものです

アルミニウムはとても酸化されやすい金属です その酸化されやすさを示すイオン化傾向は一般的に使用される金属の中では リチウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムに次いで6番目となります
そのため アルミニウムよりイオン化傾向が小さい金属の酸化物と共に燃やすと 相手から酸素を奪いアルミナ(酸化アルミニウム)になります これを還元性と言います
鉄も比較的酸化されやすいですが それでもアルミニウム程ではないので 酸化鉄(III)は還元されてただの鉄になります
ちなみに鉄は酸化するとボロボロになるのにアルミニウムは安定しているのかと言うと アルミニウムは表面だけが酸化されて それが膜となって内部の酸化を防ぐからです

砂鉄や鉄粉を使用した場合

2Al+Fe203→Al203+2Fe

という反応が起こります
この反応をテルミット反応と言い 高校の無機化学の分野で出てくる有名な反応です
このとき 851.5kJ/mol のも熱が発生します これにより金属や人をも溶かすことが可能なのです

そして劇中ではこの爆弾を使って更に水蒸気爆発を起こしています
水は水蒸気になるとき 体積は1700倍になります
高校化学で最初に習う物に ボイル=シャルルの法則がありますが 理論はさておき一般に気体の体積と温度は比例します
普段は水が沸騰しても 全部が水蒸気になるまで時間がかかるので問題はないですが これが突然高温の物質によって全てが一度に水蒸気になると 体積が1700倍になり 温度も1700倍になります やばいですね(あくまで理論上で実際そこまで上がらない)
テルミット爆弾を雨の中で使いこの爆発を起こすと化物を吹っ飛ばすぐらいは出来ちゃうんですね わーい すごーい

ちなみに、発生する熱量は アルミニウムとのイオン化傾向の差で決まります
つまり 鉄よりも酸化されにくい 銅の酸化物である酸化銅(II)などを使うと 更に強力なテルミット爆弾ができます

また、NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~にはナトリウム爆弾の話も出ています

ナトリウムはアルミニウムよりも更にイオン化傾向が大きく 空気中でも勝手に酸化されます
このナトリウムは なんと水の中に入れると 水H2Oからも酸素を奪おうとします

2Na+2H20→2NaOH+H2

この反応のより ナトリウムNaは水酸化ナトリウムNaOHに酸化され 水H2Oは水素H2に還元させられます
この化学反応でも 先程のテルミット反応と同様に熱が出るんですが この熱で今度は発生した水素の空気中の酸素が反応して いわゆる水素爆発がおこります
とはいえ、これは爆弾向きではないでしょう
ちなみに発生する水酸化ナトリウムは強塩基性で皮膚をも溶かしますが 大量の水を使う必要性があるので かなり薄くなってしまいます

というか、そもそもナトリウムなんて手に入らないだろ()

NOeSISには 他に雷銀や消火器を利用した爆弾などが登場してますが、また機会があったら紹介します

そういえば


時雨君とこよみ、遥の会話の中に 「お前ら本当に高校2年生か?(しかもまだ4月)」というものが

常用対数は化学基礎や化学、数IIで登場するからまだ分かるが
ネイピア数 e=2.7182 は数IIIの自然対数で初出すると思われるし
アボガドロ定数 NA≒6.0×10^23 mol^-1 と気体のモル体積 22.4L/molは化学の範囲(モル体積は基礎でも出るのか…)
他に関しては高校の範囲外だろ……

時雨君は頭悪い設定だけど、お前ら実はかなりの進学校行ってるだろ…まぁ分子生物学の権威一夜先輩が居る時点で分かりきってたけれども

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